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吉田 駿之介&赤地 俊章組 東京工業大学(唐津2022全日本レポート)

1 概要

東京工業大学の吉田、赤地は、8月16日(火)~21日(日)に佐賀県唐津市の佐賀県ヨットハーバーで行われた「全日本470級ヨット選手権大会」に関東水域代表として参加した。大会期間中の日程は以下の表1-2の通りである。

表1-1 佐賀県ヨットハーバー


表1-2 レース日程


2 共同輸送の積み込み、積み下ろし

今回は、関東470協会様が行ってくださった共同輸送に申し込んで、ヨットを運搬した。

今回の運搬は、10tウイングトラックという荷物を積む部分がアルミの箱で覆われていて、荷室側面が上に上がることで側面から積み込み、積み下ろしができるトラックだった。そのため走行時の荷崩れや雨風などの外部からの汚れを守ることができる。

今回自分たちは図2-1のトラックで、HIKオフィス様に運搬していただいた。上段に2艇、上段に吊る形で2艇、下段に2艇の合計6艇で運搬していただいた。積み込み、積み下ろし作業は基本的に共同輸送に申し込んだ人および業者の方と協力して行った。荷室は非常に広く、マストやブーム、BOX類などや、全日本470級選手権で実際に使用したマークなどの荷物もまとめて運搬していただいた。また緩衝材としての毛布が多く用意されており、ラッシングベルトが船にあたる箇所や、揺れなどが気になる部分には自分で毛布を入れることができた。そのこともあってか運搬による傷や汚れなどは全くなく運搬していた だいた。

図2-1 運搬していただいた10tウイングトラック


図2-2 積み込み作業の様子


3 宿泊

今回自分たちは、「ビジネス旅館富久家」様にお世話になった。料金は素泊まり1人1泊4500円で宿泊した。唐津駅から徒歩15分、レース会場の佐賀県ヨットハーバーまでは徒歩30分。また自転車を1台お貸ししていただいたため、1人はバースまで10分で向かうことができた。目の前にはスーパーがあり、買い出しにも困らなかった。


図3-1 ビジネス旅館富久家


部屋は2人で6畳の部屋1つと3畳の部屋1つと非常に広々としていた。また部屋の設備はWi-Fi、エアコン、テレビ、湯沸かしポット、歯磨きセット、浴衣、タオルセット。これら以外にも共同の冷蔵庫、大浴場を使用でき、有料で洗濯機、乾燥機を使用できた。ヨット競技者にとってはラッシュガードなど毎日洗濯したい物が出てくるので、館内に洗濯機があったこと、加えて部屋にハンガーラックが2つあったことが非常にありがたかった。


図3-2 部屋の内装   図3-3 大浴場


今回非常に安い価格であったにもかかわらず、広々とした部屋や充実した設備、アクセス、清潔感のある館内などとても快適に過ごすことができた。しかも帰りにはお土産までいただいてしまった。約1週間という期間お世話になりましたこと、「ビジネス旅館富久家」様に深謝申し上げます。

図3-4 いただいたお土産


 食事

今回は素泊まりだったため、朝食はスーパーで購入したものを宿で、昼も同じくスーパーで購入したものを海上で取った。夕食はハーバー周辺や唐津駅周辺で取った。

図4-1 お食事処 ありがたや 生姜焼き定食



図4-2 ももや ももやセット(焼き餃子、水餃子)



図4-3 玄武庵 左:かも汁そば、右:天ざるそば



5 レース関連

5.1 受付登録、計測

今回の受付登録、計測はDay0の午後、Day1の午前に行われた。まず行ったことを簡単に記述する。

1. 計測の時間を決めた。(受付にて9:00~先着順で計測時間を決めることができた。)

2. 計測 自分たちはフル計測ではなかったので、セール、PFD、トラッピーズハーネスの計測のみであった。その際MC原本、計測用紙(各自印刷)が必要であった。PFDは破れていないかに加えて、PFDの浮力が使用者の体重に適合しているかも確認されていた。

3. 計測が完了すると、計測用紙の控えとステッカーが配布された。

4. 計測が完了すると受付登録を行うことができた。受付登録が完了すると、バウNo.ステッカーおよび参加賞が配布された。

5. ステッカー、バウNo.ステッカーの貼り付け

Day0,1は激しい雨が降ったりやんだりを繰り返しており、参加者が雨宿りをしながら作業を進めていた。フル計測艇は艇体重を測っていたが、雨のために水分を取り除くのに時間がかかり、前半は計測に遅れが生じていた。

図5-1 雨宿り




5.2 出着艇

Day1に限っては、雨に加えて20ktを超える風であったので、準備に時間がかかっている艇や、トラブルが起こっている艇をしばしば見かけた。


図5-2 Day1の出着艇


Day2以降は11:00第一予告信号に対し、9:40 D旗掲揚と時間に余裕があったように感じた。学生はD旗掲揚と同時に出ていくのに対して、社会人は自分たちのペースで学生よりも少し遅く出艇している印象だった。


図5-3 Day2の陸での風待ちの時間



バースからレース海面を見ることはできたが、距離はかなり離れていた。そのため、曳航する艇が多く、特に着艇時にはマークボートなどの運営艇にも曳航してもらっていた。今回自分たちは神奈川大学に合同レスキューをお願いしていて非常に助けていただいた。また海面までに高島定期船航路というものがあり、通過してはいけないときがある点が要注意であった。


5.3 レース

全体的に相模湾の北風のように、大きく風速風向が変わり、波はなくフラットな海面という印象であった。

フリート分けする前は社会人のレベルの高さを感じた。艇速ももちろんそうだが、スタート時に自分がきついところにはいられないように周りに指示することや、交互に入ってくるブローを逃さないことなど、全ての技術が洗練されていると感じた。

シルバーフリートでは、自分たちも含めてゴールドに比べてレベルが落ちていることを特にスタートで感じた。ラインの形成が非常に遅く、2分前に並んでいる艇がほとんどいないこともしばしばあった。また上側だけラインが高いのに真ん中~下側はラインまで2艇身以上足りていないような状況も見かけた。

図5-4 Final3のスタート2分前の状況の比較(上:ゴールド、下:シルバー)


コースは左右に大きく振れることが多く、海面を外さない技術が大切であることを実感した。自分がいる海面ではトップ艇団なのに、反対海面の全ての艇に前を通られるということもあった。例として図5-4はDay4のシルバーフリートの4レース目、M1付近のTracTracの画像である。スタボとポートの角度の違いから、左に大きく振れていることがわかる。このようなときに右海面にいて順位を大きく落とすことが多かった。

図5-5 Final4 シルバーのM1付近の状況


本大会を通して多くの改善点を見つけることができた。これを個人としてもチームとしても改善し、更なるレベルアップして、秋インカレ、来年度のレースに挑みたい。そして来年は東工大チームから全日本470選手権ゴールドフリート出場を達成したいと思う。


最終日はハーバーから目の前の湾でメダルレースが行われた。湾目の前であることや、コース上に堤防があることなど非常に難しいコースでありながら、本大会上位10艇の争いは非常に見ごたえがあった。1位から3位までが9点差の僅差という非常に緊迫していて、第2上マークまで優勝がわからず、本当におもしろいレースだった。



5.4 式典

l 開会式

8月17日(水)Day1は悪天候であったため、オンラインで開会式が開催された。優勝カップの返還や競技上の注意などが選手に伝えられた。


l 閉会式

閉会式は8月21日(日)Day5に行われた。順位発表およびシャンパンファイトが行われた。シャンパンファイトのリコールも含めて非常に盛り上がった。


図5-6 全日本470選手権の上位3ペア


閉会式後には協賛商品をかけた大ジャンケン大会が開催された。吉田はジャンケンにかち、zhikのTシャツをゲットしました。そして最後には、学生チーム対象に470をかけたジャンケン大会が開催された。以前も東工大のメンバーがジャンケンに勝ち、ジブセールをいただいたのでその流れに乗りたかったが、あえなく負けてしまった。だが、非常に盛り上がった。





6 おわりに

l スキッパー 吉田駿之介(東京工業大学 物質理工学院 材料系 学士課程4年)

 昨年は、関東470選手権で1pt差で全日本に届かなかったため今年は出場できたことを大変嬉しく感じた。例年は江ノ島開催だったため遠征が初めてで積み込みなど戸惑うことも多かったが、色々な方の助けがあり無事に終えることができ一安心できた。レースの結果は、英字を付けたりスタートや振れに合わせられずに思うように行かなかったのが悔やまれるが、このレースの経験を秋に行われるインカレで活かせるようにしっかりと反省しようと思う。

 関係者の皆様のご協力があり、全日本に出場することが出来ました。本当にありがとうございました。


l クルー 赤地俊章(東京工業大学 環境・社会理工学院 土木・環境工学系 学士課程3年)

ヨットという競技を大学から始めて、全日本という舞台でレースに出場できたことはまずうれしいものであったが、結果としてはあまり奮わず、反省点が山積みであるということを実感できた。また普段は相模湾で練習していて、遠征に行き他水域でレースを行うという貴重な体験をできたことを非常にうれしく思う。遠征に行くということはお金もかかり大変なものであるからこそ普段では経験できないことを多く体験することができた。

全日本470選手権の運営の皆様、大会関係者様、合同レスキューを受け入れてくださいました神奈川大学ヨット部様、関東470協会様、自分たちを応援してくださった全ての方に心より感謝申し上げます。





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