杉若雄山/相馬一德 慶応義塾大学(唐津2022全日本レポート(


8 月 17 日から 21 日までの 5 日間、佐賀県唐津市にある佐賀県ヨットハーバーにおいて全 日本 470 級選手権大会が開催された。今大会は風に恵まれ初日、2 日目の予選シリーズで 5 レース、3、4 日目の決勝シリーズで 6 レース、最終日にメダルレースを 1 レースの計 12 レ ースを消化した。結果メダルレースで吉田、木村艇を逆転した磯崎、外薗艇が優勝を飾った。 この度我々杉若、相馬艇が所属する慶應義塾體育會ヨット部は関東 470 選手権を突破した 3 艇が出場した。最終成績は菅澤、⾧島艇が 4 位、伊藤、海老澤艇が 10 位、杉若、相馬艇 が 11 位となり、チームとしては 2 艇メダルレース進出という結果を残した。本レポートで は我々の遠征を振り返って大会の雰囲気や唐津開催の魅力を記録に残したいと思う。


本大会は久しぶりの地方開催となり、関東水域の学生の中には予算の関係から出場を辞退 するチームも複数見られた。弊部も当初、遠征費の捻出が厳しいと考えていたが、関東 470 協会による共同輸送の利用により、費用の大部分を占める運搬費を大きく削減する事が可 能になり、権利を得た 3 艇全てが出場する事が出来た。関東 470 協会並びに運搬の手配を して頂いた HIK オフィスの方々には感謝申し上げたい。 我々の唐津遠征は日程初日にしてアクシデントを迎えていた。今回の共同輸送は江ノ島で 積み込みが行われた為、葉山を拠点にしている慶應大学、日本大学の選手は積み込み当日の 8 月 14 日午前中に江ノ島への回航を予定していた。しかし、前日に関東を通過した台風 8 号の影響で風速 13 メートルを超える強風と大きな波が残り、葉山新港は出艇禁止となる。 出艇禁止が解除される見通しが立たない状況で我々は関東 470 協会の担当者の方と話し合 いトレーラーで葉山、江ノ島間を 2 往復して頂き 5 艇の移動を完了させることとなった。 予定では 13 時から行われる予定であった江ノ島での積み込みが終了したのは 17 時ごろ。 柔軟な対応をして下さった HIK オフィスの方のおかげでなんとか積み込みを完了させる事 が出来た。



唐津での積み下ろしは 16 日だったので、15 日の午前中に羽田を出発して福岡空港に到着した。空港で福岡名物の豚骨ラーメンを食べた後、レンタカーを借りてハーバーには寄らず、 直接宿に向かった。今回泊まったホテルは伊万里市にあるセントラルホテル伊万里だった。 伊万里市は伊万里焼以外に特にイメージが湧かなかったのだが落ち着いた非常に雰囲気の 良い町であった。部屋からは教会のような赤い三角屋根の結婚式場と周りを囲む山々がみ られ、まるでスイスの風景であった。特に雨が止んだ後の朝靄はとてもきれいであった。チ ェックインを済ませた後、近くの伊万里温泉へ出掛けた。15 種類のお風呂とサウナのある 大きな温泉で疲れを取る事が出来た。伊万里温泉には座敷の広い食堂もあり地域の人の憩 いの場となっているようであった。





16 日の朝はホテルのバイキング形式の朝食から始まった。バイキングは和も洋もあり種類 が豊富であった。私は大会に向けて増量が必要であった為、沢山食べる事が出来た上、遠征 中に不足しがちな野菜も摂れたのでとても良かった。ホテルからハーバーまでは車で 30 分 ほどかかった。少し遠かったが運転して下さったコーチと風の予報を確認したり、帰りには その日の反省もできたので有意義な時間であった。始めて訪れた佐賀県ヨットハーバーは まだ殆ど搬入が始まっていなかったのもあり静かで閑散としていた。唐津ヨットハーバー は 420 ワールドの映像で見ていた印象が大きかったので実際に訪れてみると周りを山に囲 まれ、唐津城がすぐ近くに見えるなど関東のハーバーにはない雰囲気が新鮮だった。積み下 ろし終了後は艤装を行い計測までの 2 時間程出艇した。南の微風の中出艇したがブローが 入るとフルパワーまで上がる強弱の激しい海面であった。また波のない海面でいつも以上 にボートバランスをフラットに近づける事ができる為、走りやすいと感じた。一方で不安定 な天気であったことから、雨と共に入ってくる一時的な強風はハーバーの位置も分からな くなる程で怖かった。


今回の計測で我々4713 はフル計測対象に選ばれていることを前日の告知で把握していた。 今までフル計測を経験した事がなかった為、前日の発表では不安だったが、計測に関するフ ァイルを読み込んで準備をする事が出来た。センター、ラダー、艇体、マスト、セールと全 ての計測を無事終えられた事は今後の競技人生に利かす事ができればと思う。また今回の 計測ではライフジャケットの計測が通らない学生が見られた事から、普段からラフジャケ ットの破れや浮力表示の確認が必要であると感じた。計測が終わると受付を行う事ができ る。バウナンバーや計測のシールと合わせて貰った参加賞のロング T シャツはネイビーの 生地に唐津の名産イカをモチーフにした今大会のマークがプリントされたとても格好良い 仕上がりであった。 レースは全部で 5 日間行われた。初日は zoom での開会式の後、AP+1 が掲揚され雷が収ま ってからの出艇となった。初日の練習と同じ南の陸風となり振れが大きい難しい海面であ ったがそれ以上に大雨と 10 メートル以上の強風が吹いていたことからサバイバルコンディ ションとなった。特に 2 レース目のスタート直前に入ったガストは強くアウター側にいた 艇は大きく流されてスタート出来ない場面もあった。


レース 2 日目は予定通り 9:40 に出艇するも風がなく AP+H が掲揚されハーバーバックと なった。その後北西からのシーブリーズで 3 レース行った。高島の影響でベンドする風を うまく掴んだ艇が上マークを上位で回航した印象だった。また順風コンディションでの社 会人のランニングボートスピードは圧倒されるものがあった。 レース 3 日目からは決勝シリーズとなり、ゴールドフリートとシルバーフリートに分かれ て南西の強弱の大きい風で 3 レース行った。雲とともに降りてくるブローでは 15 ノット程 まで上がることもありピンダウンの判断を各艇悩んだ 1 日であったと感じた。 決勝シリーズ最終日は南西の中風で 3 レース消化した。3 日目に引き続き風の強弱と振れが 大きいコンディションで社会人のコース力が光る 1 日となった。


結果的に予選、決勝を合 わせて 11 レースを行う事が出来た風に恵まれた大会と言えるだろう。またこの日の順位上 位 10 チームが翌日のメダルレースに進出した。弊部からは 2 チームのメダルレース進出と なった。

レース最終日は予定レース数が消化できていることからフリートレースは行われずメダル レースのみとなった。注目は上位 3 チームによる優勝争いであった。結果は 2 上マークま で吉田、木村ペアが優位であったがランニングで磯崎、外薗ペアがトップ艇を抜いた事で優 勝を決めた。



最終日の閉会式後に協賛者からの景品をかけたじゃんけん大会が行われた。大変盛り上が り想像以上に多くの景品があったのだが私は最後まで残れず残念であった。またピアソン の 470 をかけたじゃんけんは各校気合が入っていたが最終的に勝ち残ったのは関西学院大 学であった。


我々4713 はスキッパー、クルー共にはじめての全日本 470 であった。メダルレース進出を 目標にしていたが予選シリーズ終了時で 4 位という予想外の展開となった。第 4、5 レース で 1 位を取ることが出来たのは自信になったと思う。一方で決勝シリーズに入ってからは スタートが決まっても上手くコース展開が出来ず 1 上の順位が悪かった。今回の全日本で あと 1 点というところでメダルレースを逃した事を忘れずに今後のインカレに繋げていき たい。

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